東日本大震災での教訓を経て阿部さんがストックしているものとは(写真提供:著者)
着なくなった服が押し込まれたクローゼット、本がぎっしり詰まった本棚、使わないお皿だらけの食器棚……。モノで溢れた家にうんざり、という読者も多いのでは。一方、これまでに6000人以上の受講生へアドバイスをしてきた人気整理収納アドバイザー・阿部静子さんは「何があるかわからない時代だからこそ、人生の折り返し地点を過ぎたら片づけたもの勝ち」と断言します。その阿部さんが50代以上に向けて、お手軽片づけ術を伝授。今回は「私が非常袋の中に用意しているもの」です。

あの東日本大震災から12年

明日は2023年3月11日。あの東日本大震災から、12年の月日が経ったことになります。

当時、著者の住まいのある仙台も震度6弱の地震にみまわれ、住んでいたマンションは大規模半壊の判定を受けました。

この震災の経験から、本連載を通じてこれまで、「片づけることが家族の命を守る」「水の重要性を痛感してたどり着いた水のストックの考え方」といったことをお伝えしました。

それらにも記しましたが、私自身、実際に経験して初めて分かった事実がとても多く、特に備えの甘さなどでは、学んだことがいくつもありました。

気付いたもののなかには、生命に直結するものもありましたが、被害が大きかった地域に住みながらも、その記憶が少しずつ薄れていくように感じています。

そこで、いま一度気持ちを引き締めたいという思いを込め、家の中での備え、外での備え、さらにいざという時身を守る行動について、2回にわたってお伝えしてまいります。

1回目は家の中における災害の備えについて。特に食料品についての考え方を記したいと思います。