高橋 おかげさまで目下、健康状態にあまり不安はないのですが、何年か前の健康診断で、骨密度の数値が低くて「骨粗しょう症予備軍」と言われてしまいました。私は40代以降、舞台の仕事を中心にしています。劇場って太陽の光が入らないでしょう。そのせいで骨密度の数値が低いのかもしれません。骨粗しょう症になるリスクを防ぐには、どうすればいいのでしょう?
池谷 骨というのは20歳くらいまでに作られる。以降はそれまでに作られた骨を貯金のように使っていくわけです。貯金をできるだけ減らさないためには、やはり運動することが大切。あとはビタミンDやカルシウムをとることですね。ビタミンDは日光浴でも摂取できますし、キノコにも多く含まれています。種類は何でもいいので、旬のキノコを毎日の食卓に積極的に取り入れるのがいいですね。
高橋 キノコは毎日のようによく食べています。
池谷 カルシウムはヨーグルトなどの乳製品からとりましょう。豆乳もおすすめです。大豆には女性ホルモンと同じ働きをするイソフラボンが含まれている。女性ホルモンには骨密度を減らさないようにする働きがありますから、閉経後の女性に大豆はいいですね。
高橋 あと、年齢とともに血圧が高くなってきました。若いときには上が110くらいで、どちらかと言えば低血圧ぎみだったのですが、今では上が128くらい。130以上になると高血圧ですよね?
池谷 そうですね。ですが、血圧は年齢が上がるとともに自然と上がっていくもの。加齢で血管もどんどん硬くなっていくし、血圧を下げる働きがある女性ホルモンも減少していくので、閉経後に高血圧になる女性が多いのは自然の摂理なんです。
高橋 うちは70代の夫が高血圧と診断されて降圧剤を飲んでいるので、毎朝、夫婦で血圧を測るのを日課にしています。朝起きてトイレに行った後、朝食をとる前に必ず。
池谷 ご自宅で血圧を測る習慣があるのはいいですね。特に女性の場合、若いときに低血圧だった方は、50代、60代になってもいまだに自分は低血圧だと思い込んでいることが多い。そういう方に限って、いざ健診で血圧を測ってみると上が160もあったり(笑)。血圧は年齢とともに上がっていくという前提で、毎日決まった時間に血圧を測り、現在の数値を知っておくことが大切ですね。