気丈に振る舞い笑顔を見せていた彼女

それまで彼女の様子を気にしながらも、
敢えて声をかけずに、頑張っている彼女を見守っていました。
頑張っている時だからこそ、張り詰めたものが弾ける気がして、
張り詰めたものが弾けたら、頑張れなくなってしまうのではないかと。

完全な間違いでした。

倒れてしまった彼女に、
「辛かったね」
そう声をかけた瞬間、大粒の涙を流し、頷き、泣き崩れました。
それまでは、周りが心配しているのがわかるからと、
気丈に振る舞っていたのです。
仲間の前でも泣くのを我慢し、頑張って舞台で笑顔を見せていたのです。

私は泣き続ける彼女の横で、
慰めや励ましの言葉など何も言えず、
彼女の大きな痛みを感じながら、ただただずっと寄り添っていました。

家族の安否もわからず、心配で心が押しつぶされそうになりながら、
ギリギリの精神状態で、彼女がどんな想いで舞台に立っていたのか…。