組長としての一番の反省と後悔
私にできる事は、もっとたくさんあったはずです。
自分の勝手な考え方で、こうしたらいいんだと考えた結果は
間違えていました。
もっと早くに彼女の心に寄り添うべきでした。
彼女はゆっくり話してくれ、
たくさん涙を流し、苦しかった思いを吐き出してくれました。
やっと少し眠れそうだと。
彼女だけでなく、組のみんなが悩み、苦しみ、
それを乗り越えようとしていました。
組長として、私はリーダーシップを取れていたのか、
あの時の事は、組長としての一番の反省と後悔です。
さまざまな思いが交差し、励まし合いながら、
日本中の心が被災地にあったように、私達の心も同じでした。
東京と宝塚の劇場のロビーでは、
日替わりでお稽古中の生徒やスターさん達が募金活動をし、
お客様に笑顔をお届けする為に、みんなの心に明るい灯をともす為に、
私達は舞台に立っていました。
間違えた判断をした事は、
その後の自分の戒めとなり、今でもずっと彼女に感謝しています。
思い込みで判断せず、一歩踏み込んで相手の気持ちを思いやる大切さ、
組長としての在り方を、もう一度考える機会になりました。
彼女が退団する時の笑顔は忘れられません。
彼女は最後まで立派な舞台人でした。