玉枝 いまは私も元気だけれど、この年になると先のことも考える。だけど《終活》を意識しているかといえば、具体的なことはまだなにも。娘たちには面倒をかけられないのでいまのうちに荷物を整理しようかな。

博子 《終活》はよく耳にするけど、私はまだ準備してないな。

玉枝 あとは、あなたがまだ結婚していないのが心残り。

博子 私、婚活よりも、保険の見直しのほうが大事かも。(笑)

玉枝 私が元気なうちに、「白馬の王子様」が現れてほしい。娘が何歳になっても、「運命の人が現れてくれたら」と思うのが親心。

博子 ええと、白馬の王子様は落馬中(笑)。私も54歳だから、「白髪の王子」かもね。ただこの歳まで仕事に打ち込んで自分時計で歩んできたから、誰かとひとつ屋根の下で暮らすのが不安なのかもしれない。その人なりの生活のくせがあるでしょう。この人なら許せる、というのが縁なのかなぁ。

玉枝 問題は、そういう些細なことじゃないでしょう?

博子 あはは(笑)。何度か結婚の話があったけど、いざ具体的になったら、仕事を辞めてほしいと言われて。17歳でやっとつかんだ夢を手放せないから結婚には至らなかった。

玉枝 それだったら私も賛成できない。あなたは小さい頃から歌を何より大事にしていたもの。