17歳の博子さんと玉枝さん。デビューが決まって上京する日に

いくつになっても夢を持ち続けて

博子 ママは71歳のとき、舞台デビューしたのよね。正直、びっくりした。80代でシニアモデル事務所にも登録しているし。

玉枝 私は8歳から日本舞踊を習っていて、名取を目指してた。人前で演じることが夢だったの。

博子 2002年、私は芸術座の舞台『とげぬき音楽隊』で初座長を務めさせていただきましたが、そのとき毎日楽屋で手伝っていたママが「いつか舞台に立ってみたい」って言って。まさか本気とは思わなかった。

その後07年、私が森光子さんの舞台『雪まろげ』に出演させていただいたときの、共演者の米倉斉加年さんやスタッフの方が、私の福岡の高校の大先輩で。

玉枝 そのスタッフの方に、「一瞬でいいので舞台に立ってみたい」って、夢を語ったの。

博子 楽屋で手伝う母の姿を見ていた米倉さんが「あのおっかさんならできる」と、07年の劇団の旗揚げ公演に呼んでくださって、母は舞台デビュー。本当に感動しました。

私が一番驚いたのは、その役をちゃんと生きている母がいたこと。そしてカーテンコールの母のお辞儀が本当にきれいで鳥肌が立ったの。その後、故郷の博多座での『新·裸の大将放浪記』では念願の親子共演も実現したのよね。

玉枝 初舞台は雲の上に立っているみたいに幸せでした。博多公演には同級生や友人がみんな観に来てくれて、もう感激して。

博子 やっぱり夢を言葉にすることは大事だと思いました。言霊ってあるんだなぁって。

玉枝 おかげで人生後半をアクティブに楽しんでいます。

『新・裸の大将放浪記』で念願の親子共演