「思い込む力って、すごい」という鎌田先生ですが――(2015年6月撮影。写真:本社写真部)
「名前が出てこない」「昨日の夕飯は何だったっけ」「また同じ本を買ってしまった」……高齢になると増えてくる「もの忘れ」の悩み。一方、長年にわたって高齢者医療を牽引する鎌田先生は「人生の8割は忘れていいこと」「嫌な気分も、他人の評価も、古い健康常識も、気が進まない人間関係も、忘れることで幸せな老後が待っている」と主張しています。その鎌田先生いわく、実際の年齢より見た目が若い人のほうが寿命が長くなるという研究結果があるそうで――。

思い込む力って、すごい

「あなたは自分が何歳だと感じていますか?」

40歳以上の中高年5000人以上にそう質問したところ、実年齢より若く答えた人ほど、日常生活動作の機能低下がゆっくりであることがわかりました。ドイツ老年医学センターの研究です。

思い込む力って、すごいんです。

「自分は若い」と思うことで、ストレスが緩和され、健康へのダメージを減らすことができます。

さらには若さを保つために自分自身をケアした結果、若さを実感できて、ますます「自分は若い」と思い込むことができます。いい循環が生まれるのです。

昔から「病は気から」と言いますが、「若さも気から」ということです。