日本人の6人に1人が貧困層に
格差の問題は、90年代から徐々に兆候が現れていたが、グローバル化と情報化によって2000年代以降は歴然たるものになった。バブルの崩壊から10年以上の時を経たことで、その間に富を築くことができた人間と、そうでない人間とに分かれたのだ。
図(1–3)を見てほしい。ジニ係数とは、日本における所得格差を示す数値だ。特に95年前後を境に、非正規労働者比率、生活保護率ともに増加し、2000年代になるとさらに急上昇。ここ数年は、高止まりといった状態にあるのがわかるだろう。
日本の貧困は、相対的貧困率といった値で算出される。世帯の等価可処分所得の中央値の半分以下の世帯員がそれに当たる。今は、年収127万円以下の世帯だ。現在の相対的貧困率は、15%を超えている(2018年、厚生労働省の発表)。
つまり、日本人の6人に1人が貧困層ということになる。ひとり親世帯に限れば、その率は格段に上がり、2人に1人が貧困層となっている。