100歳までのライフプラン

私たち夫婦は夫が100歳、私が95歳になる2050年までのファイナンシャルプランを作成していて、これからをどう生きるかについて定期的に話し合うようにしています。現在のところのいちばんの問題は、いまのような超多忙な生活を夫婦でいつまで続けられるのか、ということ。

私の場合は、70代までは続けられるだろうと確信しています。ところが80代はどうか、と聞かれれば、正直言って、自信がありません。80代になれば、どれだけ健康に気を使っていても、がんや認知症などの病を得る可能性も高まりますし、世界中を飛び回る生活はもうできないだろうと予測しています。

では80代を幸せに過ごすために、いま何をすべきなのか。私が知りたいのはそこなのです。80代は私にとって未知の世界。できるだけいまから備えておこうと、ことあるごとに80代の人々にインタビューをしてまわっているところです。その『婦人公論』の表紙の女性(草笛光子さん)は89歳ですって? 信じられないほど若々しいですね!

この夏、自伝を書くために人生を振り返るなかで、気づいたことがいくつかあります。1つは、私は「旅行」と「執筆」が本当に好きだということ。そしてもう1つが、私の人生における「友人」の役割です。

自分がどれほど友人に助けられてきたか、いかに友人に恵まれていたかを実感したのです。80代になり、現在のように活発な社会生活が送れなくなったとしたら、最も重要になってくるのは友人とのつながりだろうと思います。

日本の読者の皆さんも家族や友人を大切にしながら、新しいことにチャレンジし、健康第一で! 100歳までの毎日をいっそう充実したものにされることを願ってやみません。

※2022年12月、ロンドンの自宅にてリモート取材

リデザイン・ワーク 新しい働き方
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作者:リンダ・グラットン
出版社:東洋経済新報社
発売日:2022/10/14
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