「文学座」の先輩お二人の弔辞

徹さんらしい明るい色調のお花が敷き詰められた祭壇の両側には大きなモニターが2台。まずは内藤剛志さんの掛け声で、徹さん《懐かしの名場面集》が流されました。

徹さんが「ラガー刑事」として出演していた『太陽にほえろ』(日本テレビ系)は年代ごとに編集されていましたし、その後出演したドラマや映画などには、共演者の皆さんのお名前のテロップがキチンと入った見事な編集ぶり。舞台の映像も、昨年10月に上演された『今度は愛妻家』まで繋げられていました。

その後、角野卓造さんと中村雅俊さんの弔辞をワイドショーで御覧になった方もおいででしょう。最後まで「文学座」に所属し、劇団内に常に新しい風を送り込んでいた徹さんに、先輩お二人は心から感謝していらしたし、61歳という若さで旅立った徹さんに、会いたい、話したい、また一緒に演じたい…という強い想いが感じられる弔辞でした。

「文学座」に常に新しい風を送り込んでいた徹さんに、角野卓造さんと中村雅俊さんは心から感謝していらした

司会をしていたのは、文学座の山崎美貴さん。私の世代では『オールナイトフジ』(フジテレビ系)のオールナイターズでいちばん人気のメンバーですが、山崎さんはその後、文学座のオーディションを受け、長年所属されているのです。

私はというと、新卒で就いた「TBS954キャスタードライバー」時代に出演していたラジオ版『ザ・ベストテン』のような番組で、「約束」でレコードデビューした徹さんに度々取材させていただきました。ラジオの生放送で、素人っぽさを売りにしているレポーターが相手だというのに、徹さんは毎回サービス精神たっぷりに答えてくださったものです。