「余生」と呼ぶには長すぎる

現在はそれが様変わりしている。

『人は「感情」から老化する―脳の若さを保つ習慣術』(著:和田秀樹/祥伝社黄金文庫) 

厚生労働省の発表している簡易生命表によると、令和三年では男性81・47歳、女性87・57歳にまで平均寿命が伸びている。

ちなみに同じ生命表によると、60歳時での平均余命は男性24・02歳、女性29・28歳である。

定年以降も働きたいという人も増える一方で、早期退職も珍しいことではなくなっている。となると現役を退いてから、20〜30年の時間があることになる。

これはもう「余生」というレベルではない。身体機能もかつてよりずっと若返っているのだし、知的機能は意外なくらいに衰えない。昔のイメージで捉えるのはどう考えても不合理なのだ。