内間さんは当時を振り返って「頑張って知っているふりをし、みんなと一緒感を保とうとしていた」と言いますが――(写真提供:Photo AC)
自分に自信がない、本音が話せない、と悩む方も多いのではないでしょうか。「自分の本当の気持ちを誰にも明かせない。それがキツかった。」と話すのは、2010年に芸人として「M-1グランプリ」準優勝を果たしたスリムクラブの内間政成さん。しかし、ある事件をきっかけに、自分の欠点を受け入れることができるようになったといいます。その内間さんは当時を振り返って「頑張って知っているふりをし、みんなと一緒感を保とうとしていた」と言いますが――。

知らないことが多いおかげで盛り上がったり、皆が教えてくれる

当然、知っていることが多い方が、より人生を豊かに生きられると思います。しかし、知らないのにもかかわらず知っているふりをすると、人生が重苦しくなります。

これは当然のことだと思うかもしれませんが、それをしてしまうのが僕でした。

では、なぜそれをしてしまうのか? それは「思い込み」が原因です。

でも、それを紐解くことによって何を大事にして生きたいのかを知り、より豊かに楽に生きられると思います。

僕は知らないことが多いです。昔からそうでした。元を正せば幼少時代の我が家での情報が乏しかったのが始まりだと思います。

僕は6歳から15歳までテレビを見ていません。テレビ禁止でした。原因は僕の視力低下です。それは幼稚園の健康診断で判明しました。そしてお袋が、テレビは目に悪いという情報を聞きつけて、そういう結末になったのです。

お袋は根っからの健康第一主義者で添加物を憎み、自然を愛する女性です。だから僕は、家族で外食をしたことがありません。

一度、僕と弟があまりにもマクドナルドに行ってみたいと駄々をこねたので、渋々家族で行ったことはありますが、お袋だけは何も注文しませんでした。そして、恨めしそうに僕らの食べているチーズバーガーを覗き込むのです。

かなり緊張感がありますよ。食べ辛く、三分の一は食べましたが、リタイアしました。このような出来事はありましたが、1カウントに数えることはできません。

そんなお袋にとって僕の視力低下は、まさに有事です。そしてすぐに対策に取りかかります。

その気持ちはありがたいのですが、一度思い込んだら吟味せずに突き進む性格なので、かなり戸惑います。