「自分は決して身体が丈夫ではない」とわかっています(写真提供:石井ふく子さん)
『渡る世間は鬼ばかり』『ありがとう』など、数々の名作ドラマを世に送り出し、96歳になった今も仕事を続ける現役最高齢のドラマプロデューサー・演出家の石井ふく子さん。身体が丈夫なほうではないという石井さんが、長く仕事を続けるために心掛けている健康法とは――

人一倍、健康に気を遣うように

長く仕事を続けるには、なにより健康でいることが大事です。そのため70歳を過ぎたころから、月に一度は病院に行き、血液検査やその他の検診を受け、健康状態をチェックしています。

また、ちょっとでも身体に違和感があれば、すぐにお医者さまに診ていただくようにしています。万が一、仕事の途中でダウンしてしまうと、大勢の人に迷惑をかけてしまうからです。

私は13歳のときに肺結核と脚気にかかり、約1年半、入院と自宅療養生活を余儀なくされました。そのため学年も2年遅れてしまい、ずいぶんと歯がゆい思いをしたものです。4歳から日本舞踊を習い始め、将来は踊りで身をたてるつもりで稽古に励んでいましたが、その夢も諦めざるをえませんでした。

そうした経験があるので、「自分は決して身体が丈夫ではない」とわかっていますし、「健康でいないと、やりたいことも思う存分できなくなる」と身をもって知っています。ですから人一倍、健康に気を遣うようになったのかもしれません。