2023年4月5日に、東京・イイノホールにて、映画『銀河鉄道の父』完成披露試写会が行われた。本作は、宮沢賢治と父・政次郎に焦点を当て究極の家族愛を描き、第158回直木賞を受賞した『銀河鉄道の父』(著:門井慶喜)の映画化である。試写会には父親役の役所広司、宮沢賢治役の菅田将暉、妹・トシ役の森七菜、弟・清六役の豊田裕大、母・イチ役の坂井真紀、祖父の喜助役の田中泯、そして『八日目の蝉』『いのちの停車場』などを手掛けた成島出監督が登壇し、舞台への意気込みを語った。
役所広司主演『銀河鉄道の父』の魅力
2016年に小説が発売され、2017年から映画化プロジェクトが始動。6年越しの2023年、宮沢賢治の没後90年を迎えるタイミングで、満を持しての公開だ。
主題歌は、映画『銀河鉄道の父』のために書き下ろされた、いきものがかりの「STAR」。ぶつかり合いながらも支え合う宮沢家の大きな愛を思わせる、穏やかなメロディーの楽曲なっており、いきものがかりが吉岡聖恵と水野良樹の2人体制になってから、初の映画主題歌となる。
役所広司さんと菅田将暉さんは今回が初共演。役所さんが「いつか一緒に現場に立ちたいと思っていた」と言い、それに対して菅田さんは「本当にこんな幸せな時間はない」と答え、互いに共演の喜びを表した。
宮沢賢治の父親・政次郎を演じるにあたって、「政次郎にとって初めての子が賢治だった。賢治の成長と共に政次郎も父親として少しずつ成長していったのだと思います。自分では威厳ある父親を演じていますけど、子どもたちも妻も、隙だらけの男だと思っていたのではないでしょうか。だから賢治もしょっちゅう金の無心に来た(笑)。(色々な部分を含めて)『銀河鉄道の父』は、非常に愛嬌とユーモアのある作品になっていると思います」と役への気持ちを話した。
宮沢賢治役が菅田さん以外に思いつかないくらい、彼に合っている役だと言う役所さん。そんな2人がどのように親子の愛情を表現するのか、見逃せない。