宮沢賢治は教科書の偉人のイメージ

賢治の妹・トシを演じる森七菜さん。菅田さんとは、2019年に放送された連続ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』以来2度目の共演。「一緒にできて、すごく楽しかったです。1回目のときは今ほど近い距離ではなかったので、今回は少し不安もありましたが、現場に入ってみると、菅田さんが本当にお兄ちゃんのように感じてきて。私たちより年下の弟達とも楽しく話をしているのを見ていると、菅田さんって本当に何人いるんだろうって(笑)。勉強になりましたし、一緒にきょうだい役ができたことがすごく幸せでした」と、役への思いを話す。

森さんは「(宮沢賢治について)教科書の偉人というイメージが凄く強く、少し硬く考えていましたが、台本読んだ時に変わりました。宮沢賢治は、ユーモアのある人たちに囲まれて生きていた人だったのだと知り、そこから改めて作品を読むと何倍も面白く見えてきます。これが高校生の時だったら本当楽しく教科書開けていたのになぁ…。ぜひ、高校生の方にも気軽に観に来てほしいです」とコメント。

また、賢治の弟・清六役を務めるのは豊田裕大さん。菅田さんからアドバイスをもらい、自身の撮影がない時も現場に見学に訪れていたことを明かした。「本当に貴重な経験だと思っていたので、とにかく見逃さないように、聞き逃さないようにしたいと思いました」と芝居への意気込みを語る。

賢治の母親・イチを演じる坂井さんも、役所広司さんとの初共演に喜びを表した。また演じるにあたり、この時代の女性が家庭の中で担う役割や立場を調べ、言葉に嘘がないように勉強して臨んだという。

田中泯さんは、役所広司演じる政次郎の父親で、賢治の祖父にあたる宮沢喜助を演じる。

宮沢賢治の作品には若い時からよく触れていた、と話す田中さん。憧れている人物の一人であり、現在山梨県で農業をしているのも賢治の影響かもしれないと話す。

2022年に公開された映画『峠 最後のサムライ』でも役所さんと親子役として共演しており、「お父さんと息子の話ではありますが、お父さんにもお父さんがいる。大役です。自分が生まれてきたときから世の中の環境が大きく変化する中で、個人もどんどん変質していくのに、親子であることを繋ぐ(絆のような)見えない部分を感じました」とコメント。