面白くなくてもいいから10本書いてきて

清水 そういえばこの前、『アメトーーク!』の「ネタ書いてない芸人」の回に出てたね。

田中 あ、見たんですか?

清水 全5組がネタを書く側、書かない側にわかれるんだけど、山根さんは書かないグループにいながら、どこか気高いというか、プライドすら感じて、めちゃくちゃおかしかった。

田中 そうなんですよ。ほかのネタを書いてない芸人は、クズっぽさ、というか、無理して強がるようなところがあるんだけど、山根だけ飄々としてたでしょう。

清水 腰が低くないよね。

山根 同じグループの芸人からも、「山根さんだけ様子が違うから、一緒にいるのイヤだな」と言われました。でも、書けないからしょうがないよね。

田中 単独ライブだと、だいたい新作を7本ぐらいやるわけですよ。1本でも山根が出してくれたら、俺と違う感覚で作ってくれたら、どんなに気持ち的に楽か。

清水 ネタは、これまでずっと田中さんだけが作ってきたの?

田中 はい。何度言っても書かないから、もう諦めていたんだけど、たまたま先日、ああいう番組の企画がきたので、ここぞとばかりすべてを吐き出しました。でも恐らく、来年の単独ライブにも1本も書いてこないと思う。もう、この性格は根っからだから。

山根 いや、書こうとは思ってるよ。採用されるかはわからないけど。書けなくはない。書けなくはないけど、ただいいのができるかどうかは保証しない。

清水 さっそくえらそう。(笑)

山根 あの番組で、いつもは書かない側がネタを作って「オンエアバトル」をしたでしょう。自分でも「あ、書けるんだ」とは思った。人気投票したら5組中4位だったけど。(笑)

田中 だから、いつも言ってるでしょ。面白くなくてもいいから、書いてきてほしいわけ。10本ぐらい書けば、その中にヒントはあるから。それを俺が拾い上げて、広げたり形にしたりすることはできると思うから。

山根 1本でいいって言ってたのが、急に10本になった。

清水 話が違う。(笑)