僕は根っからの草芸人
田中 急にっていうか、俺はさ、1回の打ち合わせごとに毎回30本ぐらい書いてるんだよ。その中から厳選した7、8本を持ってきてるわけ。山根の場合、できないんだから、まず50本持ってこいよ。
清水 あははは。
山根 50本は多いんじゃない?
田中 50本書いて、ようやく1本出るくらいだよ。
山根 1本は出る?
田中 1本は出るから! やってみろよ、まず。
清水 でも、10本も書いたことないんでしょ。
山根 ないです。
清水 じゃあムリじゃない?(笑)
田中 俺は19年ネタ書いてきたけど、山根は1年も書いてないんですよ。
山根 1ヵ月も書いてない。
田中 そんな人が、俺と同じ本数書いて、同じ命中率なはずないでしょ。50回投げれば、遠くのバケツに1投入れられるから。
山根 わかった。命中しないけど、投げるよ。
清水 あははは。投げやり。これだけ相方に厳しいこと言われたら、悔しいから鼻をあかしてやろう、めっちゃ面白いのを書いてやろう、とは思わないの? やっぱり「どうぞ、どうぞ」っていう感じ?
山根 「どうぞ、どうぞ」って感じですね。(笑)
田中 だから、根っからなんですよ。鼻をあかすとか考えるような人だったら、とっくに1本や2本書いてるはずでしょ。
山根 いや、田中のことを本当にすげえな、と思ってるんですよ。感謝の気持ちも伝えてます。でも、俺がいくらプロ野球選手になりたくても、プロ野球選手にはなれないじゃん。何球投げても。
清水 なにそのたとえ。(笑)
田中 プロ野球選手にはなれないよ。俺もなれないよ。でもお前、芸人にはなってるじゃん。お笑いっていう、面白い人たちが集まっているところで生きてるプロなんだから、自分が面白いと感じたものを拾って書くくらいのことは、できるでしょう。
山根 それができない、19年いて1本も書かないということは、俺はもう……。
田中 芸人じゃない? なんなんだよ、もう!(笑)
山根 草野球ならぬ、「草芸人」とか。(笑)