ブラック職場の実態

入省7、8年の若手官僚数人に、国会待機の実情を質したことがある。以下は、彼ら、あるいは彼女らが赤裸々に語った話を折衷したものだ。

国会待機が何を意味するか。その説明から始めよう。政治主導を明確にするため、99年から官僚が政府委員として答弁する制度が廃止され、原則、閣僚らが答弁する仕組みに変わった。

閣僚答弁は政府の方針と同一視され、議事録にも残るので正確を期す必要がある。

国会中継の予算委員会などで、閣僚がペーパーを見ながら官僚が用意した答弁書をひたすら読み上げるシーンをよく目にする。

国会待機は、質問取りから始まる。国会で質問する議員に、官僚がその趣旨や内容を前もって聴き取る作業で、いかに正確、詳細に把握できるかが問われる。

野党の議員の中には、なかなか手の内を明かさない人物も多く、何度も議員会館に通ってやっと質問取りを終えたというケースもある。