深夜残業で朝4時退社、シャワーと仮眠後のラッシュ通勤

そして、官僚の仕事はここから本格化する。質問が出揃い、省内放送で「待機解除」がアナウンスされると、おもむろに閣僚のための答弁書作成がスタートするのだ。

答弁内容は省内の関係部局のみならず、他省庁との擦り合わせを経なければならないものが多く、その調整作業に予想以上の時間がかかり、夜通しの作業になるのも珍しくない。

家での滞在時間45分、そのうち睡眠が15分というのも珍しくありません(写真提供:Photo AC)

どうにかこうにか答弁書づくりを終えても、「大臣レク」と呼ばれる作業が残っている。

実際に国会で答弁に立つ閣僚に対し、その内容を理解してもらうためのレクをしなければならず、その対象は大臣だけでなく、副大臣、政務官らに及ぶこともある。

大臣レクは通常、午前7時頃から行われるため、それまでの時間を役所に泊まり込んで潰す人、急ぎ自宅に帰ってとんぼ返りで役所に戻る人など、いくつかのパターンに分かれる。

例えば、午前4時に作業を終え、タクシーで40~50分ほどかけて自宅へ。シャワーを浴び、しばしソファでうとうとまどろみ、目覚まし時計に起こされて早朝の電車に飛び乗り役所に舞い戻る。

大臣レクと一言で言うが、レクの相手である大臣の理解力によっては手を替え品を替え説明しなければならない。

近年、しどろもどろの答弁で国会を混乱させる閣僚が見受けられるが、理解度の低い人物だとレクに必要以上の時間がかかることがある。