外資、コンサル、起業にできて、官にできないもの

しばしばマスコミで報じられるように、外資系金融機関やコンサルタント会社などに会社人生の第一歩を踏み出す人が増えている。

財務省秘書課で新人採用を担当したことのある中堅幹部は、「財務省に入っても最初の1年はコピー取りが仕事ですよ。うち(外資系金融機関)に来れば1年間アメリカで研修できますし、ゆくゆくは金融のプロとして高給が保証されます、と誘われればそちらになびくのは当然でしょう」と、旧態依然とした官僚機構と一見華やかな外資との埋め難い落差を嘆いた。

外資系に加えて、弁護士や起業などを志望する学生も目に見えて増えてきた。

官界、とりわけ財務省が憧れの就職先だった時代は過去の話になりつつあり、「東大法を中心に、勉強ができて、リーダーシップがある人間は確かにいる。そういった層はいつの時代もある程度いて、以前はその中から役人をめざす人が出たが、今はかなり少なくなっているように見える」と、現代学生気質と官界とが遊離してしまっている現状を示唆した。