朝の快便に欠かせない「大ぜん動」を起こすには

それは、胃と小腸が空っぽになっていること。

胃と小腸が空っぽの状態で、胃に食べ物が入って来た時に初めて、「胃・結腸反射」という体の反射反応が起こり、大ぜん動が起こるのです。

胃と小腸を空っぽにするためには、およそ8時間食べ物を入れない時間を作ることが必要です。

ですから、一般的には日中ではなく、8時間近く食べない時間(夜の睡眠中)のあと、つまり朝、食事をすると大ぜん動が起こり、便意を催す方が多いというわけなのです。

ですから、夕食を早めにとって空腹の時間を作ることが必要ですし、また、朝食を抜いている方は、大ぜん動が起こりにくいかもしれません。

ただし、朝ご飯を食べなくても、「起きた後に冷たい水を1杯飲むと出る」「朝コーヒーを飲んだ後、便意を催す」という方などもいるので、朝のルーティンを行う、何か決まったイベントを行うことで排便が促されるということはあり得ます。

また、朝起きて一番に、朝食をとる前に排便が起こる人もいます。

これは病気などではないですが、食事の刺激による「胃・結腸反射」がないのに排便が起きているので、腸のぜん動運動を活発にする副交感神経が過剰に刺激されるような、なにか別の原因が起きている可能性があると考えます。

大ぜん動が起きにくい方は、まず8時間くらい食べない時間を作る、朝食を食べる、などを心がけてみましょう。

通常のぜん動運動で、胃と十二指腸、小腸で消化、分解が行われて栄養がきちんと吸収される→同じく通常のぜん動運動で、残ったものの一部が大腸で吸収され、さらに残ったもので便が作られながら肛門へ向けて少しずつ移動する→最後に、大ぜん動が起きて、便が排出される、というプロセスが必要です。

これらが全部スムーズに行われることが、「食べて出す」の仕組みというわけです。

ですから、「腸活」をするならぜん動運動のことも気にかけた方がよい、というわけなのです。

※本稿は、『結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法』(アスコム)の一部を再編集したものです。


結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法』(著:川本徹/アスコム)

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