近しい相手への嫌みこそ、隠すくらいがちょうどいい

放っておいても自然に解消されることのない問題を、どのようにいなしていくのか。

これはやはり外交の知恵といったものにもつながっていくところでもあるでしょう。

「京都人のエレガントなコミュニケーションに憧れる」と話す中野先生
(撮影:尾関祐治さん/写真提供:日経BP)

なぜなら、家ならばいざ知らず、国そのものはよほどのことをしない限り、どこか別の場所に引っ越すということは不可能だからです。

私たち日本人にとっては、今現在ある周辺諸国、東アジアの国同士の関係が最も関心の高いところだとは思いますが、ヨーロッパでも、南米でも、隣り合っている国はなにかしらの紛争を抱えているところが多く、どこでも仲が非常に良好とはいえない状態にあるのが常です。

これは今がそうだというのではなく、歴史的にずっとそういう傾向があります。