「読書芸人」として知られるヒコロヒーさんが『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で紹介した『宇宙人と出会う前に読む本』。タイトルの通り、「宇宙人と出会った際にわたしたちはどう振る舞うべきか」を筑波大学研究員・高水裕一さんが説いた内容が大きな話題となっています。同書によれば、宇宙人にどこから来たかを聞かれたときに『地球』と答えてもなんの意味もないそうで――。
あなたはどこから来たのですか?
あなたを助けてくれた宇宙人は、初対面のあなたとの会話のきっかけをつくるつもりで、なにげなくそう尋ねてきたのでしょう。
では、この質問にあなたはどう答えればよいでしょうか?
「地球という惑星から来ました」
もしこんな答え方をしたら、相手に対してきわめて不親切であるどころか、社交の場においてはマナー違反とさえいえることは、ぜひ知っておいてほしいところです。
たしかに、あなたは地球という惑星から来ました。しかし、「地球」という惑星名には、相手が同じ太陽系の住人でもないかぎりなんの意味もないのです。
あとでまたくわしくお話ししますが、宇宙人が自分の住んでいる惑星の位置を伝える場合、その惑星が公転している「恒星」、つまりその宇宙人にとっての「太陽」の位置情報を基本とすることになるはずです。
「地球という惑星から来ました」という答えは、海外で初対面の相手にどこから来たのかを聞かれて、いきなり「**県から来ました!」と答えるようなものなのです。恥ずかしいですよね。
なおこの記事では、惑星際宇宙ステーションに集まる宇宙人は、私たちと同じ天の川銀河の住人であり、かつお互いの「太陽」が肉眼で見える範囲に住んでいることを前提にします。
約2000光年の範囲です。星座を構成する1等星から6等星までは、ほぼこの中にあります。天の川銀河の直径は約10万光年もあり、その中には約1000億個の恒星がありますので、銀河内のすべての宇宙人がステーションに集まることは、さすがに考えにくいからです。