新しいスタートなんてそんな簡単には転がってはいないから
平均寿命からしても、人生は折り返した。
この歳になると、未来に無限の可能性がある十代のころとは話が違う。いやでも若干答え合わせ感がある。あの時怠けた結果がここに響いているのかな、とか、スライディングドアのように別の選択をしていたら今頃どんな人生だったのかな? とか、取り留めのない想像をして、想像しても無駄だとすぐに悟る。中年になってから大学へ行くだとか起業するだとか、人生の第2ページみたいな雑誌の特集があったとしても、そんな人一握りだ。大抵の人は、もやもやしながら折り合いをつけて生きている。新しいスタートなんてそんな簡単には転がってはいない。
手っ取り早いのが恋愛だが、これがまた難しい。韓流ドラマではいざ知らず、若かりし頃と比べると、性欲も好奇心も減退は否めない。デートか、ちょっと面倒だな、みたいなもん。手っ取り早い高揚感も、そうそう手に入らない。
そして倦んでしまう。
歳を取って、人が死んで、物価は上がって、温暖化は進んで、暗いニュースが増えて行くだろう残りの人生に何を喜んで生きて行けばいいのか? 倦んでしまうくらい普通だろう。
倦みながら、ぶつぶつ不平不満を言いながら、家族に八つ当たりをしながら、詩を書いたり、自家菜園に励んだりもするのだ。
ホルモン
私が人生に満足してないとして
それは
私の問題
家族でも夫婦でも恋人でも
人のせいじゃもちろんないし
時々
自分のせいですらない
子宮はまわる
自転する
すべて
ホルモンのせいということ