筆跡カウンセラーとしての原点

石崎 心と文字は因果関係にあって、文字がブレないと心もブレないといえますが、筆跡カウンセラーとしての私自身の原点には、心がブレると文字がブレるのだという発見がありました。

小林 興味深いですねぇ。

『気がつくと自律神経が整う! メンタルアップ文字トレ』(著:石崎白龍、監修:小林弘幸/徳間書店)

石崎 私は幼いころから書道を習い始め、20代で子どもを対象にした書道教室を始めました。定期的に子どもの文字を見ているうちに、日によって文字が違うことに気づいたのです。

乱れた文字を書くようになった子に「学校で誰かと喧嘩したの?」と聞いたり、筆圧が極端に弱くなった子に「家でお母さんにしかられたのかな?」と声をかけたりすると、子どもたちは一様に、「先生、どうしてわかるの?」と、百発百中でした。

小林 へぇ、すごいものですね。

石崎 これは偶然ではないと考えていた矢先に、かつて書道を教えていただいた恩師であり、筆跡診断の草分け的存在である、森岡恒舟先生と再会する機会がありました。

そのときに森岡先生から、「文字には、その人の性格や心理状態が表れる」というお話を伺い、すとんと腑に落ちました。そのことがきっかけで、筆跡診断士の道を歩むようになったのです。