(写真提供:Photo AC)
適度な運動が必要とはわかっているものの、「時間がない」「外に出るのがおっくう」という人も多いのでは? 順天堂医院が医学的な見地から考案した、自宅でできるトレーニングなら、手軽に毎日の生活に取り入れられます(構成◎上田恵子 イラスト◎今野志保)

老化を食い止めるには鍛えることが不可欠

高齢者は普段よりも1500歩以上歩くのが減ると、下半身の筋肉が2週間で約4%減少すると言われています。人は動かずにいれば、筋肉だけでなく、心肺機能や認知機能、骨や血管まで弱くなるもの。体の老化を食い止めるには、鍛えることが不可欠です

では、どのようなトレーニングをすればいいのか。その答えとして参考になるのが、私が所属している順天堂医院の健康スポーツ室が考えたメソッドです。

健康スポーツ室は、不調が出てくる前からスポーツを取り入れて、ライフスタイルを改善することを目的に、1996年に開設されました。医学部から医師、医療看護学部から看護師、スポーツ健康科学部から健康運動指導士、そして管理栄養士といった専門スタッフが集結。利用者に合わせ、医学的に見て効果が期待できるオリジナルプログラムを提案しています。私は10年前より循環器内科医として本プロジェクトに関わってきました。

健康スポーツ室の中にある健康スポーツクリニックは、1年単位の会員制(有料)で、誰でも参加できます。現在の最高齢は94歳。平均年齢は76歳です。綿密なメディカルチェックから、体力測定に始まり、指導、実践、効果判定、フォローアップまで行います。