養子縁組成立で元夫は養育費を払う義務から解放される

この場合、長男については、元妻が新しく結婚した配偶者との間で養子縁組が行われたわけですから、この長男の親権者は元妻とこの配偶者になります。

元妻と新たな夫が共同親権を持つことになったわけで、元妻と継父が養育の第一義的な責任者になります。継父の就労と収入も安定しています。こうした場合、日本では、元夫は養育費を払う義務から解放されます。

元妻が再婚し長男の養子縁組をした日から、元夫が養子縁組に気がついて、家庭裁判所へ養育費の減額を申し立て(るとともに、養育費の支払いを自主的に停止し)た日までは、ほんらい支払う必要のない養育費を過剰に支払ったことになりますが、家庭裁判所は、申立を行った日以降は養育費を支払う必要がないという条項で調停を成立させます。

ただ、筆者の個人的な考えとしては、自分の子どもが、元妻の新しい配偶者との間で養子縁組をしたとしても、子どもとの関係を維持するとともに、たとえ少額であっても養育費を支払って、子どもを部分的にであれ経済的に支えながら成長を見守っていくというのも一つの方法ではないかなと思ったりもします。