3人の面接官を前にしてもそれほどの緊張感はない(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは東京都の60代の方からのお便り。定年退職した夫が、掃除・洗濯・食事の用意と家事に生きがいを見いだした様子に、妻はどう動くべきか――?

定年夫の変身ぶり

独身時代から働き続け、47年目。いわゆる定年とされる年齢はすっかり超えている私だが、先日就職面接を受けてきた。現在、仕事は1年契約で、年度末を迎えるたびに次期公募と採用試験が繰り返される非常勤事務。再契約は今回で3回目だ。

かつては正社員として働き、家庭・育児との両立に奮闘するも挫折。その後悔が、今の原動力になっている。

夫は9年前に定年退職。現役時代は家事に非協力的であったが、今は私が帰宅すると夕食ができ上がっているという、素晴らしい変身を遂げた。掃除・洗濯もぬかりなくこなす姿は、以前には想像もつかなかったものだ。

さて、妻としてはどんな選択をすべきか――。散歩三昧からようやく家事に生きがいを見いだした夫と、家事を取り合うわけにもいかない。子どもたちが自立し、健康であれば一家に主夫(婦)は一人で十分。そう自分の中で納得し、面接試験に臨んだわけだ。