望田さんいわく「オールドファンは当時のトウカイテイオーの歩きと重ねてしまう」そうで――（写真はイメージ。写真提供：Photo AC）
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3度の骨折を経験しながら復活を遂げた「トウカイテイオー」。その姿は、見るものに大きな感動を与えた。美しい流星と静かな瞳を持つ、この不屈の名馬が駆けぬけた栄光と挫折のドラマとは。今回『トウカイテイオー伝説』から、血統評論家の望田潤さんの寄稿文を紹介します。その望田さんいわく「オールドファンはパドックを歩くロバートソンキーに当時のトウカイテイオーの姿を重ねてしまう」そうで――。

トウカイテイオーの牝祖

トウカイテイオーの牝祖、６代母にあたる久友（競走名ヒサトモ）は、東京優駿大競走（現日本ダービー）や帝室御賞典（現天皇賞）に勝った女傑です。

久友の産駒は計４頭いますが牝はブリユーリボンだけ。この唯一の娘を通じて、この女傑の血は遺されていくことになります。

ブリユーリボンの娘トツプリュウは、輸入種牡馬アトランティスとの間に牝馬を産みます。

この牝馬は「トウカイ」の冠でおなじみの内村正則オーナーの最初の持ち馬となり、トウカイクインと名づけられました。