(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第50回は「宝塚の芸名の付け方」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

前回「腰が引けていた「文楽」を初体験!語り手と三味線弾き、人形遣いの三者が一体の複雑な芸術、でも合わせの時間はほとんどないことに驚き!」」はこちら

人生で一番頭を悩ませた宿題

仕事でお会いした方に、雪路さんという方がいました。
若い人にはめずらしい名前なので、名前の由来を聞いてみたくなりました。

私の中では、雪の日に生まれたか、ご両親が朝丘雪路さんのファンだったかの2択でしたが、どちらも違いました。
夏生まれで、雪のあまり降らない南の生まれだと言います。
夏生まれで、雪路。
そのネーミングセンスにたまらなく惹かれました。

人生で一番頭を悩ませた宿題、
それは音楽学校本科生の夏休みに出された「芸名を考えてくる」という宿題でした。 

芸名は第二希望、または第三希望まで考えます。
第一希望で通らない場合は第二希望の名前になったり、第三希望の名前になったり、
また考え直しになることもあります。

本名の苗字を使うことや、卒業生や現役生と同じ名前、似た名前は付けられません。
読みにくい名前も却下されます。