現在のポップミュージックのルーツ
次にヨーロッパからアフリカに飛びましょう!
アフリカは音楽の宝庫です。現在のポップミュージックのルーツになっていると言っても過言ではありません。もちろん、アフリカの音楽と言っても多種多様ですが、大きな括りで言うとアフリカの音楽の特徴はそのリズムにあるでしょう。特に複数の異なるリズムが同時に存在するものをポリリズムと言って、複数の楽器が異なるリズムパターンを奏でることで、独特な響きを作り出します。そのリズム感覚はなかなか我々日本人では真似ができないものです。
そして、このアフリカの音楽、現在のポップスに大きな影響を与えたのは先ほど申し上げた通りですが、アフリカのミュージシャンの音楽を日本で聴くことはなかなかない様に思います。
そこで私のイチオシのアフリカ・ジンバブエのミュージシャン、チウォニソ・マライレ(Chiwoniso Maraire)をご紹介させてください。実は私もネットサーフィンをしていてたまたま見つけたミュージシャンです。残念ながら実際のライブを観たこともなく、2013年にお亡くなりになっているので今やその機会も残されていないのですが、いくつか残されたアルバムはどれも素晴らしい作品です。その音楽はとても洗練されていて、且つアフリカの音楽の要素がふんだんに盛り込まれています。特に彼女は親指ピアノ「ムビラ」の達人です。カリンバとも呼ばれる「ムビラ」。とてもシンプルな楽器ですがアフリカを代表する楽器の一つです。
さて、今回ご紹介する最後の音楽はアジアに戻って、台湾のブヌン族の音楽です。実は台湾は小さい島ながら多民族国家なのです。16世紀以降移住してきた漢民族が人口の大多数を占めていますが、それ以外に今でも元々、台湾に先住していた少数民族が暮らしています。その数は台湾の人口の2%と言われています。そして台湾政府が原住民として認定しているのは16部族。その中の一つがブヌン族(布農族)で現在約 56000人いらっしゃるそうです。
そのブヌン族に伝わる音楽がとても素晴らしいのです。パシププと呼ばれる8声部の合唱は世界的にも有名で、ロジカルにはとても複雑な合唱なのですが、とても心地よい響きです。そのパシププは古来より狩猟、祭り、祝い事の場で歌い継がれてきたものです。しかし、これを歌う事には規律が多く、謎も多く神秘的な存在です。
特に粟の収穫を祈願するためのパシププは基本的に1月の種まきの時期から3月に行われる間拔祭の期間だけ歌われ、その前後は歌ってはいけない事になっていて、普段の練習も禁止されているそうです。このパシププは選ばれた6~8名が屋外で円陣を組み、両手をお互いの腰に当て、ゆっくりと反時計周りで動きながら歌います。
さて、如何でしたか。音楽での世界一周。これ以外のもヨーロッパのケルト音楽、インドのシタールやタブラの音楽、南米のラテン音楽など、まだまだ紹介したい音楽は沢山あります。それはまたの機会に!
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