「どう受け取られるんだろう」という不安

あのCMをキッカケに自分の認知度はすごく高まった。当然ながら、自分がいままで届かなかった層からの反応も大きかった。

しかも、内容自体も足元からカメラが上がっていって、僕の顔が映るという構成だったから、その絵面には自分でも笑ったし、その面白さが伝わったのであろう。

『ブレん人』(著:呂布カルマ/株式会社コスミック出版)

あのラップのリリック(歌詞)は自分で書いた。もちろん、「たたくより、たたえ合おう」というコピーはACジャパンの提示であって、「こういう方向性で進めたい」「ディスらないで相手を受け入れる内容で」という提案や骨子となるやり取りがあるのは大前提で。

そのうえで、その内容をどういうリリックに、どうラップするのかは、かなりこっちの裁量に任せてくれた。

結局、そうでなければ自分が出る意味はない。

相手のおばあさんのラップも書いたし、レコーディングにも立ち会った。

でも最初はスナックで歌う感じというか、なんか艶っぽい歌い方になっていたから、「ん~、もうちょっと抑えてみましょうか、その色気」なんてディレクションも。

正直、CMを制作してから放送されるまでの間は、「どう受け取られるんだろう」という不安が大きかった。