絵画部門入選『再生した私』 伊藤理恵(いとう・りえ)さん
2月4日はワールドキャンサーデーです。世界中の人が、がんに関する意識を高め、知識を増やし、がんに対して行動を起こすことを目的として、各地でさまざまな取り組みを行っています。がんサバイバーの方の作品と思いを紹介した記事を再配信します。

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がんと告知された時の不安、がんと共に⽣きる決意、そしてがんの経験を通して変化した⽣き⽅など、⾔葉だけでは伝えきれない想いを絵画・写真・絵⼿紙で表現する「場」があります。がんサバイバーの方の思いが詰まった作品を紹介します。

1人娘は5歳。「死んじゃったらどうしよう」

それは、38歳の3月であった。「乳がん」という言葉が私の頭のなかを駆け巡り、目眩がして暫く動けませんでした。1人娘は、5歳。「死んじゃったらどうしよう。」という不安が胸を締め付けました。私の乳がんは乳腺全体に細かいカルシウムが沈着した「石灰化」ががんになったものでした。その上、浸潤している事も分かり、「全摘」になると聞いて、私と主人は息を飲みました。先生は「全摘同時再建」というものを説明してくれました。5月の始めに手術は行われた。

第二リンパ節まで切除されましたが、無事に成功しました。中期、ステージⅡBということで、念の為にワンクールの抗がん剤を勧められました。私は抗がん剤をやりたくなかったですが、娘の為、生きる為にやることを決意しました。