写真部門入選『自然のいのちとわたしの生命(いのち)』山﨑広実(やまさき・ひろみ)さん
がんと告知された時の不安、がんと共に⽣きる決意、そしてがんの経験を通して変化した⽣き⽅など、⾔葉だけでは伝えきれない想いを絵画・写真・絵⼿紙で表現する「場」があります。がんサバイバーの方の思いが詰まった作品を紹介します。

風を切って走る事は出来ないのだなと思った

それは突然やって来た昨年初夏の出来事です。
涙を流したのはお医者様に宣告されたその時ただ一回だけ、1人息子と母親の目の前でした。

人さまの事のように思えて、不思議と現実味はありませんでした。
人生紆余曲折あったけれども、ようやく自分が強くなれた瞬間!!にも思えました。
私は普段地球に優しい暮らし方を実践するにあたり、移動手段はスポーツサイクルでした。

最高50キロの距離を、チャリティーイベントで走った直後の出来事でもう自然と一体となり風を切って走る事は出来ないのだなとしみじみ思っていました。
何故なら手術は7時間半の大手術だったからです。