人生100年時代、平均寿命も毎年上がり続けるなか、老後資金の枯渇問題、健康や認知症といった老いへの恐怖など、不安を抱えている方は老若男女問わず、多くいらっしゃることでしょう。そんななか、老年医学を専門とする精神科医・和田秀樹先生は、自身の体験をもとに、65歳を過ぎても幸せが続く鉄則を発信しています。和田先生「心地よいことや楽しいことを日々の生活のなかで実践している人は、元気で若々しい人が多い」そうで――。
自分が心地いいと思うことだけを追求する
わたしは、灘校に在学していたときも東大でも、どちらかといえば落ちこぼれで、周りからうらやましいと思われるような人生を歩んできたわけではありませんでした。
2022年に、わたしの本『80歳の壁』が幸運にも年間ベストセラーになるなど大ヒットはしましたが、けっしてお金持ちになったわけでもありませんし、周囲の人から羨望を集めるような人間ではないと思っています。
しかし、最近になって高校や大学の同級生や世間の皆さんからは「なんにも縛られずに自由に生きていてうらやましい」と言われるようになりました。
それは肩書や社会的地位よりも、自分のやりたいことをやる、イヤなことはできるかぎりしないということを徹底してきたおかげです。