悪いことをしていなくても、最近はなんでも撮られる気がして油断できないと考えてしまう(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは愛知県の70代の方からのお便り。ある日、ランニング中の路上に千円札が。拾って派出所に届けるか、悩んだものの――。

落ちていた千円札

とある早朝のこと。日課のランニング中、路上に落ちているものに目がとまった。丸まった千円札だ。周りには誰もいない。拾おうか。ダメだ。潔癖症の私としては、道に落ちているものを拾うなんてありえない。

それに拾ったとしても、派出所へ届けるには来た道を10分も戻らなければならないし。

いや、それよりも――。もし誰かが見ていて、スマホで撮影されたら? あるいは最初からそれが目的でワザとお金を置いていたら? YouTube で「おばあさんが早朝にネコババ」とか。

悪いことをしていなくても、最近はなんでも撮られる気がして油断できないと考えてしまう。

この間、夕方のニュース番組を見ていたら、コンビニで普通のコーヒー代しか払っていないのに、Lサイズをカップに注いだ、と通報され、警察に連行された人がいた。あれを見てみんなビビっただろうな。「絶対間違えてはいけない」と。