●骨盤底筋トレーニングおすすめの姿勢
仰向けに寝ころんで両膝を曲げ、肛門や腟を締める。腰を上げると締めやすい。座位の場合は両脚の間にボールなどを挟むと締めやすくなる

次に、骨盤底筋トレーニングをご紹介します。電車で座っているときや寝ころんだときにできる簡単なトレーニングです。まず、肛門をキュッと締めましょう。このときお腹やお尻を動かさず、肛門だけを締めるよう意識するのがコツです。そしてギューッと2~3秒締めたら、次の2~3秒でゆるめる。これを2~3回繰り返します。

続いて、腟と尿道も締めましょう。肛門と同じ要領で、今度はおしっこを止めるようなイメージです。腟や尿道のあたりを締めたりゆるめたりする動きを2~3回繰り返します。

最後は少し難易度が上がりますが、肛門と腟、尿道(骨盤底筋群全体)を一緒に締め、息を吐きながら上に引き上げるよう意識します。会陰の筋肉の動きを確認しましょう。この3つのトレーニングは、どこでもできるので気軽に挑戦してみてください。

そしてもうひとつ、とっておきの方法があります。それは人差し指と中指を第2関節まで腟の中に挿入し、腟を締めて指をギューッと持ち上げるトレーニングです。指2本が無理な場合は1本から始めてかまいません。お風呂の中や、お風呂上がりの保湿タイムなどの習慣にしてみてください。腟の状態を指で確認でき、一石二鳥です。

保湿と骨盤底筋トレーニングを行えば、軽度のGSMはほぼよくなり、頻尿や尿漏れも7割近くが改善します。続けてみても改善が見られない場合は、別の原因が潜んでいる可能性があるので医師に相談しましょう。

ちなみに私のクリニックでは、腟と外陰部に炭酸ガスレーザーやYAGレーザーを照射して皮下組織の水分量を改善する施術、腟のゆるみに対して高密度焦点式超音波(ハイフ)を照射し、腟の筋肉を引き締める施術、理学療法士による経腟触診を用いた個別骨盤底筋トレーニング指導など、さまざまなメニューをご紹介しています。

不快な症状を我慢せずとも、医療に頼れば改善できるよい時代になりました。