介護のための脱毛は個人の価値観で
フェムゾーンの話をすると、「介護を受けるときのことを考えて、脱毛をしておいたほうがよいでしょうか」という質問を受けることがあります。
介護のために脱毛をすべきかについての、私の考えはNO。誰かに迷惑をかけないためというより、自分がしたいかしたくないかで決めてかまいません。むしろ、私は「見栄えのために脱毛したい」という姿勢を支持します。
海外の女性や、日本でも若い世代では「デザイン」としてきれいに手入れしている人が多くなりました。それはフェムゾーンに意識を向けている証拠。更年期以降の女性が、「脱毛をしてきれいに整えよう」と考えるのはとてもよいことです。
ただし、陰毛が白髪になるとレーザー脱毛ができなくなるため、検討している人は早めにしたほうがいいでしょう。
セックスをするのもよいと思います。性行為をすると、硬くなった腟が徐々にやわらかくなる場合が。何より「フェムゾーンをきれいにしよう」という気持ちがいい影響をもたらすと思うからです。
最近は腟トレができるグッズも登場していますし、プレジャー用、トレーニング用のどちらにも使える便利なバイブレーターもあります。そういったアイテムを活用するのは、恥ずかしいことではありません。
最後に、ホルモン補充療法についても少し説明させてください。骨と皮膚の維持には女性ホルモンが有効であることが判明しており、65歳くらいまでは全身補充療法が可能です。ただし、乳がんを進行させたり、血栓症のリスクが高まったりするため、管理しながら使わなければなりません。
それ以降の年齢でGSMがひどい場合は、局所(外陰部)女性&男性ホルモン投与(クリーム、オイル、腟剤等)という手段もあるため、どうしてもつらいという人は医師に相談してみましょう。また、性的意欲を含む意欲向上に、少量の男性ホルモン補充も有効です。
更年期を終えた後は自由を謳歌できる円熟期だと、私は思っています。下半身のトラブルは、著しいQOL(生活の質)の低下の原因になりかねませんから、ケアを習慣化させたいものです。