コンビニ弁当は長寿食

わたしだって「その血圧ではマズイよ、その血糖値じゃ死ぬよ」といわれても、自分のやりかたを変える気はないのです。

でもリスクをとりたくない人にとっては、「かたよらず、何でも食べる」ことこそが大切だとわたしは考えています。どんなものでも足りない害があるからです。

『病気の壁』(著:和田秀樹/興陽館)

とくにその害が大きくなる高齢者には、質素な食事より、バラエティに富んだ幕の内弁当をおすすめします。

おそらく、20~30種類の食材を使っているのではないかと思うのですが、あれほどの種類のおかずを家でつくることはできません。

その意味ではコンビニ弁当も非常にバランスよく栄養をとりいれることができる長寿食だといえるでしょう。

わたしは好んで食べていますが、添加物が入っているのではないか? 加工食品を使っているのでしょう? と難色をしめす人もいるようです。

でもたとえば発がん性にしても、確率的には1万分の1の単位です。

納豆は健康食として人気で、毎日欠かさずに食べているという人も多いのではないでしょうか。

たしかに納豆には、筋肉などの組織をつくる「たんぱく質」、活動に必要なエネルギーや神経組織をつくる「脂質」、主要なエネルギー源となる「炭水化物」、酸素を活性化する働きのある「ビタミン」、歯や骨などの骨格をつくり、人体の機能調節や生命維持に欠かせない「ミネラル」といった5大栄養素が含まれています。

ただし納豆にもれなくついてくるタレや練り辛子には添加物が入っているのでは? それでも口に入れた途端に即死したという話は聞いたことがありません。

それに、仮に食品添加物に発がん性があったとしても、がんになるのは10~20年後です。

20年後に生きていたとしても若いころに比べて体力のなくなった高齢者の場合、がんの進行ものんびりとしているので、それほど気にする問題ではないとわたしは思います。