樋口さん「私はできるだけお葬式にも追悼会にも行きますが、そろそろ体力が限界」(2021年9月撮影。写真:本社写真部)
生きていれば人は老いるもの。気力や体力が衰えていくなかでは、何をやめて、何をやめないかの選択に迫られることも。「人生のやめどき」をテーマに対談を行ったのが、東京大学名誉教授・上野千鶴子さんと東京家政大学名誉教授・樋口恵子さんのお二人。75歳の上野さん、91歳の樋口さん、現在進行形でおふたりが経験している「老い」の形とは? その樋口さん「義理堅い人への敬意は年々強くなってますね」と言っていて――。

ふるまいじまい、義理じまい

上野 冠婚葬祭で親戚づきあいが濃密だと、年とってから思わぬ出費が老後の家計を圧迫するという話をよく聞きますね。

樋口 新聞の投書なんかを見ていると「ふるまいじまい」という言葉があるんですってね。

これまで子どもや孫たちを集めて料理をふるまっていたのが、体力的にも経済的にも難しくなって、これで終わりにしたいと思って親のほうから、お前たちが遊びに来てくれるのは大歓迎だけれど、お母さんが手をかけておふるまいをするのはもうこれで最後だということを大変な勇気を持って言った、なんていう投書を読んだことがあります。

上野 子どもにはあらかじめそう言えても、知人友人が死ぬのは突然ですよね。そのときのお香典が予期せぬ出費という話も聞きます。