姉には男女1人ずつの子どもがいて、妹にも2人の息子がいる。カズコさんはなかなか子どもができず、40歳近くになってやっと娘が生まれた。
「母が50代の時にできた孫と、70過ぎてからの孫では扱いが大違い。姉の娘の七五三では着物を仕立てたのに、うちの娘の時はお祝いもありませんでした」
自分の子どもは平等に育てようと頑張ったが、孫の代までは力及ばずというところだろうか。
「母が80歳を過ぎて娘の世話にもならずに元気でいてくれて、ありがたいと思っていました。でも、姉の放蕩息子に車を買ったと聞いた途端、なぜか怒りが湧いてきて……」
カズコさんには、姉が孫をだしに親の財産を食いつぶそうとしているように見えたのかもしれない。
「ご注進してきた妹だって、母から子どもの学費を引き出そうとしていたんですよ。姉や妹に比べると、私は損な性分だと思います。母にとって、自分が世話した孫が可愛いのは当然。愛情も金銭援助も偏るのは仕方ないかもしれませんね。ただ、どこまでも親に甘える姉にはいい気分はしません」
それだけ援助してもらったのだから、姉には、今後起こりうる母の介護や実家の始末を、責任もって担当してもらいたい。だからカズコさんは、波風立てずに我慢をしている。