永井さん「足元湧出はいつもちょっと別格です」(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

 

コロナ禍を経て、旅行の計画を立てている方、慌ただしい日常から離れてリフレッシュしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。そんななか、訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。永井さん「足元湧出はいつもちょっと別格です」と言っていて――。

一生に一度は浸かりたい、足元から湧いてくる温泉

全国の温泉取材を終えて、東京に戻ってきたとき、友人に最も聞かれた質問が「一番いい温泉、どこだった?」でした。

「本当にいろんな温泉があるから、“ベスト”ってわけじゃないんだけど、一番印象に残ったところでいうと……」と予防線を張りながら、私が答えていたのは、鹿児島県の湯川内(ゆがわち)温泉でした。

湯川内温泉は、全国でも希少な「足元湧出」温泉のうちのひとつ。

足元湧出はその名の通り、足元(湯船の底)である板の間や岩の隙間から温泉が直接湧いていて、湯船を満たしているものをいいます。