真希「この人は私のことどうでもいいんだな」って。

安東 「セックスレス」が問題なら、それをどう解消するか? が取り組むべきテーマになるはずですが、それはもはや「過去」のものになっています。では、「現在」の問題はというと、離婚という言葉が出る程、おふたりの夫婦関係がこじれてしまっている、ということなんだと思います。では、真希さんが離婚を考えるほどの理由はどこにあるか? それは10年来続く、久朗さんの「関心の低さ」なのではないかと思いますが、真希さんいかがでしょう?

真希 はい、そうです。言語化するとその通りです。これまでうまく言えてなかったことに今、気づきました。

安東 まだセックスレスが問題だった頃から、離婚という話題が出るようになった現在まで、真希さんはご自身が訴えている辛さや苦しさを、久朗さんには受け止めてもらえてない、と感じていたのではないかと思います。一番の味方であるはずの夫に痛みを訴えても取り合ってもらえないとしたら、それは寂しく、辛い、孤独な時間だったろうと思います。

真希 本当に、そうなんです。下の子が生まれたばかりの頃、体調が悪くてどうしてもご飯作れなくて、それで夫に具合が悪いから早く帰ってきてほしいって、LINEしたら「了解」って。ご飯遅くなるけどごめんねって、上の子に言ったら「ママ、大丈夫? お熱?」って聞いてくれたんですよ。

その時思ったんです、レスとかワンオペとかをいっぱい伝えてきて、言いすぎて嫌になっちゃったかな、忙しいのに負担になっていたかなって思ってたけど、違うんだ。「この人は私のことどうでもいいんだな」って。その時はじめて離婚を考えました。

※本稿は、『夫は、妻は、わかってない。- 夫婦リカバリーの作法 -』(SYNCHRONOUS BOOKS)の一部を再編集したものです。


夫は、妻は、わかってない。- 夫婦リカバリーの作法 -』(著:安東秀海/SYNCHRONOUS BOOKS)

「なんで結婚したんだろう……」
「夫に、妻に、腹が立って仕方がない!」
「なんであの夫婦は仲がいいのに、うちはこんなにしんどいんだろう」

結婚生活を続けるうちについ不満が溜まる。果てに不倫や不仲が発覚して、どうにもならないところまできてしまう……。そんなとき、多くの夫婦は諦めるか、別れるかといった究極の選択をしがちだ。

やっぱり夫婦はあきらめるべきなのだろうか……?

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