肉には幸せホルモンを促すアミノ酸がたっぷり

高年になったら、自分の体に不足しているものを、どんどん足していきましょう。

私は、これを「足し算健康術」と銘打っています。足し算健康術は、幸福感を高めるための老い支度の秘訣(ひけつ)です。

『65歳から始める 和田式 心の若がえり』(著:和田秀樹/幻冬舎)

セロトニンも放っておけば不足するので、きちんと足していきましょう。では、どうやって足せばよいのでしょうか。

一つは、外出して日光をたくさん浴びること。日光を浴びることが、セロトニン分泌のスイッチを押すことになります。

もう一つは、動物性たんぱく質の宝庫である「肉」を食べることです。たんぱく質は筋肉や血管、皮膚や粘膜など、ありとあらゆる組織の材料となる物質です。なかでも、肉には、セロトニンをつくるための材料の一つである「トリプトファン」という必須アミノ酸が、豊富に含まれています。

当然、魚や大豆製品にも多く含まれていますが、高年者(65歳以上の人々)が敬遠しがちな肉も、セロトニンを補強するために、しっかり食べたほうがよいのです。

日光浴というスイッチを押し、肉からトリプトファンを摂取することで、セロトニンの分泌力が高まります。それでも、気持ちが上向かないときには、精神科を受診し、脳内のセロトニン量を増やすための薬を処方してもらいましょう。

薬は脳内のセロトニンを増やすタイプの抗うつ剤が、老人性うつには有効です。