8月13日の『まつもtoなかい』に吉永小百合さんが登場。普段の生活や仕事の選び方、これからの抱負や同級生との交流まで赤裸々に語る。『婦人公論』2021年5月11日号の、映画公開にあたって原作者と語り合った対談記事を再配信します。
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長い女優人生で初めての医師役に挑戦した吉永小百合さん。実はずっと演じてみたかったのだとか。吉永さんの主演映画の原作を手掛けたのは、編集者から医師になり、現在は作家としても活躍中の南杏子さんだ。医療のありかたや健康の秘訣まで、話は広がって──(構成=内山靖子 撮影=三浦憲治)
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長い女優人生で初めての医師役に挑戦した吉永小百合さん。実はずっと演じてみたかったのだとか。吉永さんの主演映画の原作を手掛けたのは、編集者から医師になり、現在は作家としても活躍中の南杏子さんだ。医療のありかたや健康の秘訣まで、話は広がって──(構成=内山靖子 撮影=三浦憲治)
長年の夢だった医師の役に初挑戦
吉永 実は私、これまでずっと医師の役をやりたいと思っていたんです。今回の映画『いのちの停車場』で、初めてその夢が叶いました。南先生が素晴らしい原作を書いてくださったおかげです。
南 こちらこそ光栄です。私が頭の中で描いた人物を吉永さんが演じてくださると聞いたときは、感激のあまり倒れそうになりました。
吉永 今回の作品を手掛けた成島出監督と、以前『ふしぎな岬の物語』でご一緒したときも、「ぜひ、ドクターの役を」とお願いしたんです。でも、ピッタリくる原作が見つからず、喫茶店の女主人という役柄に。その後、南先生の『サイレント・ブレス』を拝読し、「素晴らしい! この方が書かれた作品で医師の役をやりたい」と思ったんですよ。
南 本当にありがたいお言葉です。でも、なぜ、医師の役を演じたいと思っておられたのですか?
吉永 私、幼い頃は体が弱くて病気がちで。1歳のときに二度も肺炎にかかって、命の危険にさらされました。でも、そのとき私を診てくれたお医者様が、当時、日本で使えるようになったばかりのペニシリンを投与してくださったおかげで救われたと。小学校に上がってからも、すぐに肺炎になってしまうので「肺炎子」というあだ名がついたほど(笑)。
これまでの人生で、医療の現場に携わる方々に大変お世話になってきたので、自分でも、ぜひ医師の役をやってみたかったんです。