それぞれ持ち場があり、リレーのバトンのようにピザが渡っていく

仲間に会える楽しみ

しかし最初は、ピザ生地がうまく伸びずに苦労した。そんな時、大きな発見をする。

「テレビで偶然、ピザの世界チャンピオン大会の模様が目に入って。そうしたら、生地に大量の打ち粉をふりかけていたの!」「それを試してから、うまく伸ばせるようになったんだよね」「生地作りに餅つき機を使い始めたのも、テレビがきっかけだった」「私たち、無駄にテレビ見てないよ(笑)」。

メンバーが日々アンテナを張って知恵を持ち寄りながら、「BaBaピザ」はでき上がったのだ。

この年齢での起業でハードルとなる資金集めも、全員で工夫しながら乗り越えた。京子さんが中心となり、「皆に『あんた、いくらなら出せる?』『あんたは?』と聞いて、足りない分は私が出すよ、と」。互いの事情もふところ具合もわかったうえでそれぞれ出し合い、約150万円の資金が集まった。

店の準備にはなるべくお金をかけないと決め、「建設現場で材木をもらってきたり、橋本家の古い味噌樽の上にちゃぶ台を乗せたりして店のテーブルに」。

ピザ窯は東京の合羽橋まで探しに行ったが予算に合わず、京子さんが孫に頼んで、同じ商品をネット通販で安く買ってもらったのだとか。「商売をやるからには、マイナスにするのはイヤ。『絶対儲かる』が、私のモットーなんです(笑)」と京子さん。