「はまぐりピザ」(1300円)や「いわしピザ」(1000円)など、地元の食材をたっぷり使用したピザは絶品

05年、近所に新しく道の駅がオープンした時も、「『何でもいいからやってくれないか』って頼まれてね(笑)。じゃあ、おにぎりでも売るべ、と」。

それから年3回、イベントに出店するようになり、多い時は一日に30~50キロの米がなくなるほど大盛況だったそうだ。「でも屋外だから、夏は暑いし冬は寒いし。その頃から、『いつか屋根のあるところで店をやりたいね』と皆でよく話していたんです」と京子さんは言う。

月日は流れ、19年の年明け。京子さんは、市が管理する近所の施設が空き家になっていることを知った。水道もある、トイレもある。「よし、ここだ!」と、さっそく役所に申請。すると、「蓮沼の道の駅で売っている商品とかぶらないなら」という条件付きで貸してもらえることになった。

商品にピザを選んだのは、もともと地域のグラウンドゴルフ場にピザの薪窯を作って、子ども会などの行事でふるまった経験があったから。

せっかくだからこの店でしか出せないメニューを作ろうと、九十九里浜で獲れるはまぐりや九十九里漁港に揚がる新鮮ないわし、海水で育てた蓮沼特産の「海水ねぎ」など、地産地消にこだわったメニューを考えた。2年前からは店の前に畑を借り、皆で育てた野菜も使っている。