かつて主治医に、「微小変化型のネフローゼは年齢とともにおだやかになっていくことが多い」と教えてもらったとおり、今は寛解という、症状が落ち着いた状態を保てています。
さらにこの仕事は会場までの移動を除けば、実働時間が短いというところにすごく助けられています。頭の中はいつもフル稼働で芸のことを考えていますが、体がヘトヘトにならないので持病と折り合いがつけやすい。そして舞台が楽しくて楽しくて、ストレス発散になる。天職だと思っています。
披露目の興行を50日間も行うことは、準備の段階から本当に大変でした。けれど期待を背負うことでしか鍛えられない何かがある。小猫時代に作ったネタをやっている時でも、日に日に「猫八になっていく」覚悟のようなものを実感できました。
その江戸家の芸でまずは、寄席のお客さんに今後も思い切り笑っていただきたい。さらに、多くの知識とご縁をいただいた動物園に恩返しがしたい。自分だからできる可能性をどんどん広げていきたいと思っています。どうぞ皆さまも、五代目江戸家猫八の芸を大いに楽しんでいただければと願っています。