「何事もおっくうになる」のは前頭葉の機能の低下

前頭葉は脳の中でも、創造性や感情のコントロールなどを司る部分です。前頭葉が活発に働いている人ほど、クリエイティブで柔軟性があり、いつでも朗らかで楽しそうな人が多いと考えられます。

ただ、この前頭葉は、年齢とともに萎縮が始まります。前頭葉が萎縮して、機能が低下すると、創造性が下がったり、感情のブレーキが利かなくなり、キレやすくなったり、感情の落ち込みが激しくなってうつ状態になったり、柔軟性が利かずに新しいことに対して消極的になってしまいます。

『60歳からはやりたい放題[実践編]』(著:和田秀樹/扶桑社)

よく「年を取ると、何事もおっくうになる」というのは、前頭葉の機能が低下していることが大きな要因となっています。前頭葉は、40代くらいから徐々に萎縮していくのですが、放置していると新しい刺激を怖がるようになり、感情や行動がどんどん老け込んでいきます。

その結果、「失敗したら怖いので、行きつけの店にしか行かなくなる」「知らない人とは会いたくなくなる」「他人と会話をすることが面倒くさくなる」「同窓会や飲み会などイベントごとに誘われても参加しない」「毎日、テレビばかり見て、出かけなくなる」などの傾向がみられるようになります。

現時点で、「自分にも当てはまるな」と思った人は、もしかしたら前頭葉機能低下の初期症状かもしれません。