2023年9月10日、大相撲9月場所が東京・両国国技館で始まりました。横綱・照ノ富士は休場、3大関は横綱を、3関脇は大関を目指す今場所はどんな展開になるのかーー。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

前回「秋場所千秋楽、単独トップの熱海富士21歳が初優勝するか?最大4人の優勝決定戦が繰り広げられるのか?」はこちら

4回目の優勝

大相撲秋場所は、大関・貴景勝が優勝決定戦で、初優勝を狙う前頭15枚目・熱海富士を降し逆転優勝。貴景勝は休場明けの場所で見事に4回目の優勝を果たした。熱海富士は初めての敢闘賞のみの獲得となった。殊勲賞と技能賞の該当者はなかった。

熱海富士は13日目に貴景勝に負けたが、14日目まで3敗で単独トップ。千秋楽では、大関・霧島か新大関・豊昇龍と戦うと思っていたら、元大関の前頭2枚目・朝乃山との対戦が組まれた。私は、「朝乃山は責任重大。どうする朝乃山!」と思った。朝乃山が熱海富士に勝てば、4敗勢の貴景勝、関脇・大栄翔、前頭7枚目・高安、前頭11枚目・北青鵬に優勝のチャンスが訪れる。

大相撲は個人競技だから、他の力士のために朝乃山が勝つ必要はないが、26年ぶりの4力士での決定戦を見たいではないか。3力士での巴戦でも良いが。

朝乃山の取組前の談話は、「(取組を)組まれたからには責任を果たしたい」だった。その言葉通り、朝乃山は腕を差した形で前進あるのみ。短時間で熱海富士を寄り切り、元大関の実力を発揮した。朝乃山は9勝となった。

しかし、北青鵬が豊昇龍の渡し込みに敗れた。4敗同士の貴景勝と大栄翔との対決は、真っ向勝負の突き押しのド迫力を堪能でき、貴景勝が送り出しで勝った。結びの一番では、高安が霧島に引き落とされてしまった。

最大4力士でのややこしい優勝決定戦の夢は消え、結局、貴景勝対熱海富士というシンプルな対戦となった。貴景勝は8月5日生まれ(獅子座だ)の27歳。熱海富士は9月3日生まれ(乙女座だ)の21歳。(今場所は、何故か星座にこだわっている)